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理科の中の算数について思う

 高校で理科を教えていると、算数の内容でのつまづきが原因で理科も共倒れになるという場面に合うことがしばしばある。それもそのはず。小学校算数はあたりまえに身についていることを前提に、中学校や高校の数学や理科が組み立てられている。特に、中学校以降の数学は数学的な概念の定着に重点を置く。算術を駆使する場が、数学ではなく理科になるのだ。

 「学びなおし」や「計算特訓」みたいな時間割を特設し、算術の訓練をしている学校もあるだろう。そんな学校ならいざ知らず、理科がそれをやらなければ生徒の算数の知識が呼び起される機会はない。なんとなく分かっている人も多い。でも、意識的に対策されているのか疑問だ。分かっていればまだましな方で、生徒の算数の知識が追い付いていないのに、遮二無二、理科を指導してしまう。それゆえに、理科が嫌いになる生徒も多いのではないだろうか。

 理科嫌いと言われるけれど、意外と生物や地学などは好かれている。物理・化学にピンポイントで苦手意識を持つ生徒が多いことの一因だろう。

 算数の中で、圧倒的につまづきがある内容が「はんぱ」と「割合」である。2つを組み合わせてた「分数」などもってのほか。それらをよけて、理科の授業を行うことも可能だろう。化学や物理であっても、うまくやれば避けられる。が、生徒にとって「理科の知識」と「算数の知識」とどちらが大切かと問うと、「算数」なのは認めざるを得ない。

 あまりこだわりすぎると、かえって生徒を苦手にしてしまう。十分に分かっていること。しかし、上手くやれば生徒の力を劇的に引き延ばすことができる、ということもまた分かっている。理科の教員として、実践から切り離すべきではない「量の概念」の指導について、小学校算数の指導要領を照らし合わせながら考えられないかなと、思索しているところだ。

 もしかすると、ことは理科で閉じていなくて、学校全体としての基礎学力保障の取り組みに関連付ける必要があるかもしれない。そこまで考えが至れば、何やら面白いことになるかもしれない。などと、皮算用。